皆さま、ご機嫌いかがですか?砂山(@sunayama373)です。
今回は花組シアタードラマシティ公演『冬霞の巴里』を観劇しましたので、感想をまとめていきたいと思います。
先行画像・ポスターが出た時点で永久輝さんが美しすぎて震えました…!
以前から美しい方だと思っていたけど、ここまでとは…!!!
『冬霞の巴里』あらすじはこちら
時は19世紀末パリ、ベル・エポックと呼ばれる都市文化の華やかさとは裏腹に、汚職と貧困が蔓延り、一部の民衆の間には無政府主義の思想が浸透していた。 そんなパリの街へ、青年オクターヴが姉のアンブルと共に帰って来る。二人の目的は、幼い頃、資産家の父を殺害した母と叔父達への復讐であった。父の死後、母は叔父と再婚。姉弟は田舎の寄宿学校を卒業した後、オクターヴは新聞記者に、アンブルは歌手となって暮らしていたが、祖父の葬儀を機にパリへ戻った。怪しげな下宿に移り住む二人に、素性の分からない男ヴァランタンが近づいて来る。やがて姉弟の企みは、異父弟ミッシェル、その許嫁エルミーヌをも巻き込んでゆく…。 古代ギリシアの作家アイスキュロスの悲劇作品三部作「オレステイア」をモチーフに、亡霊たち、忘れ去られた記憶、過去と現在、姉と弟の想いが交錯する。復讐の女神達(エリーニュス)が見下ろすガラス屋根の下、復讐劇の幕が上がる…!
宝塚歌劇公式HPより
※一部ネタバレを含む内容などあると思うのでご注意ください。また歌劇・グラフ・ナウオンなど見ずに書いてますので「それ、語られてるけど?」みたいなこともあると思いますが、ご容赦を。
ギリシャ悲劇のベース
舞台上にはギリシャ神話における復習の女神である「エリーニュス」(咲乃深音・芹尚英・三空凜花)がコロス的なポジションで頻繁に登場して物語を見守ったり進行したりします。
原作は読んだことがないんだけど、ギリシャ悲劇のベースを活用した演出なのかなと思ったりしました。
他にも、その場にいるはずのない登場人物が舞台上で同席していて物語を見ているような構図もギリシャ演劇感あるなと思いました。
原作から時代を置き換えて書いていると思うんだけど、随所に原作への敬意みたいな演出が感じられて、演出家の指田珠子先生はギリシャ演劇すきなんかなぁと思ってみたり。
「あぁ、とてつもなく、ひとりみたいだ」ってセリフも、なんかギリシャ演劇感あるなぁ
花組の王子たちが…!
ひとこちゃん(永久輝せあ)もほのかちゃん(聖乃あすか)も、私のイメージでは「花の王子様」って感じでした。ひとこちゃんは雪の王子様でもあったけど。
ひとこちゃんに関してはここ最近の大劇場公演でも王子のイメージ払拭するような役はあったけど、今回のオクターブも非常に魅力的でした。
スッ族の方があらぶるの、好きなんですよね。
そう言えば『アウグストゥス』の観劇記にも同じようなこと書いてたわ
スッとしてる人があらぶってるのって魅力的です。
宝塚花組『アウグストゥス-尊厳ある者-』の感想!@宝塚大劇場 より
ちなみに砂山はそういう方に魅力を感じる習性があります。
わいは乱暴なあっきーさんが好きやったんや……… pic.twitter.com/Xgmom6qE58
— 砂山🎩ヅカライフブログ (@sunayama373) March 31, 2022
ほのかちゃんも王子様なんですよねーイメージ的に。花沢類のイメージが強烈に残っているからかなぁ…。
今回の謎の男・ヴァランタンは、もう顔からして凶暴そうな感じでした…!
優しいビジュアルイメージしかなかったから今回の様な厳ついメイクのほのかちゃんが非常に新鮮!
同じ「人」のことを言っているはずなのに
今回の作品で一番刺さったのは、人間の見方。
同じ人のことを話しているはずなのに、一方から見れば尊敬し愛する父親なのに、もう一方から見れば死ぬほど恨まれている夫であり兄であり経営者だったということ。
これって、マジで今の生活の中でもあり得る話ですよね…。
自分が憎いほど恨んでいる人が誰かの愛する人であることだってあるだろうし、自分がそう思われているかもしれないし。
この恨みの気持ちにアクションを起こすと復習の連鎖が始まるんですよね。
人間だから、人にはいろんな感情を持つし、持たれているかもしれないけど、その連鎖反応が始まったらどこかでけりを付けないといけないんだろうな。
最後にミッシェル(希波らいと)が綺麗事と言われてしまうけど、私はその綺麗事にすがりたい派ですよ、ジャコブ爺(一樹千尋)
とはいえ私は嫌われたくない人なので、出来る限り人の恨みを買わない様に気をつけて生活します…!
オクターブとアンブル、どうなってしまうん…
姉アンブル(星空美咲)と弟オクターブの復讐劇がメインのお話なので、ロマンス要素は少な目かなと思いきや、なかなか切ない関係性だった。。。
アンブルは初めからわかってたんやね、弟と血が繋がってないって。そして弟はそれに気が付いてないって。
自分が弟のこと愛してることにも気づいてて、でも他人同士として一緒になったらいつか終わりが来る、それも悲惨な終わりが来るって両親を見ていて知ってるから、姉弟のままだったらずっと一緒にいられるって選択肢を選んだんかな。
で、姉に対するオクターブのシスコンっぷりがまた絶妙なんですよ。
針が振り切れるか振り切れないかの絶妙なところを保っている感じ。
ただの「姉想い」とはなにか違うオクターブの心の揺れを脚本でめっちゃ繊細に書き出していると思うし、それをひとこちゃんも姉を見る視線ひとつでめちゃめちゃ繊細に表現する。
だから「もし血が繋がってなかったら~」ってナンバーがかなりグッときました…。
最終的にオクターブは「姉弟ではなく」を選びたかったのに、姉の「姉弟として」生きていく方を一緒に選ぶ感じになったけど、、、
多分、オクターブ君は我慢出来へんと思うで。。。
「僕だけの姉さん」の時の表情……声……あれは弟ではおれんやつや……
フィナーレかっこよ…
フィナーレはタンゴ。
タンゴは大好物です。ごちそうさまでした…!
ひとこちゃんはもちろん、ほのかちゃん、つかさくん(飛龍つかさ)、みんなかっこよかったんだけど、和海しょうさんの色気大爆発してました…。ありがとうございました。
おわりに
今回は花組シアタードラマシティ公演『冬霞の巴里』の感想をまとめました。
カーテンコールでひとこちゃんが「冬霞で冷えた心を…」と仰ってたけど、私はなんか心の芯の部分は熱くなるような話だったなと思いました。
復讐だし、いろんな人傷つけるし、人もいっぱい死ぬけど、虚しさで終わりでなく登場人物たちの語られないその先をこちら(客席)にゆだねられて「これからどう生きていこうか」って想いが湧いてくるような作品だったなと。
演劇の神髄みたい。
演れば演るほど役が深まっていきそうな作品だなと感じたので、東京ではもっと濃いお芝居になるんだろうなと思います…!東京で見られる方羨ましい!
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