皆さま、ご機嫌いかがですか?砂山(@sunayama373)です。
今回は雪組シアタードラマシティ公演『海辺のストルーエンセ』を観劇しましたので、感想をまとめていきたいと思います。
巧い脚本と演者のハマり方がドンピシャで『面白かった』
『海辺のストルーエンセ』あらすじはこちら
北海とバルト海に囲まれた潮騒響く国、女神フレイヤが住まう所・・・
18世紀中葉、若き王クリスチャン7世が治めるデンマーク王国。大北方戦争後の中立政策によって、人々が平和な時代を謳歌していた頃。小さな町医者ヨハン・ストルーエンセは、啓蒙思想に傾倒し、保守的な医療現場を改革しようと奮闘していた。新しい考えを広め、いつか大きな世界で活躍したいという野心を抱くヨハンは、その美貌と賢さ、エレガントな立ち振る舞いを武器に、専属医として王達に近づく。
そこで目にしたものは、享楽に耽る王クリスチャン、無能な王を放任し国政を牛耳る宮廷官僚達、我が息子を王位に就かせようとするクリスチャンの継母ユリアーネとその一派、そして異国に慣れず王と不仲の王妃マチルデ。宮廷は「病」に満ちていた。国政を握り、世直しを行うチャンスとばかり、「治療」を開始するヨハンだったが、次第に孤独な王妃に惹かれていく。
果たして2人の、そしてデンマークの向かう先は・・・
宝塚歌劇公式HPより
Jブランディングが効いている人物像
あーさ(朝美絢)演じるストルーエンセのことは、不勉強ながらこの作品を観劇するまで知らなかったのですが、相当人の心を掴むのが上手な人だったのでしょうね。
その人物像と、あーさ自身がこれまで築き上げてきた色男キャラ「J」との相性がよく、ストルーエンセが男女問わずすけこましていくさまが、もはやストルーエンセを見ているのか「J」を見ているのか分からない状態になりました(笑)
朝美絢と言えば色男!という認識を作中でしっかり有効活用しているし、それが役にとってもハマっているのが「巧い」なぁと思います。
『夢介千両みやげ』の総太郎を見たときも同じようなことを感じたけど、総太郎はちょっと阿呆感が強かったので、ストルーエンセはより「J」感あるなと思いました。
野心もあるしね
ウィキペディアでストルーエンセを見てみると、かなり野心に溢れた人であることが分かったんだけど、ウィキは物語ではないから感情の部分が分からないので、結構酷い人だったんだなぁと思ったんですよ。
けど、今作のストルーエンセ先生は、王クリスチャン7世(縣千)や王妃カロリーネ(音彩唯)、ブラント(諏訪さき)など、人との関わりをとても大切にしていた人物に感じられて、そのあたりがなんとなくタカラジェンヌにも似ているなぁと思ったりしました。
成したいことがある&周りとの絆を大切にする、的な。
たぶんあーさが今置かれている立場にもぴったりハマるんじゃないだろうかと想像してみたりしましたね。
いや、しゅこ先生(作・演出の指田珠子先生)、うまぁ。
台詞中のダブルミーニングが巧み
ちょっと観劇から時間がたってしまって具体的なセリフは覚えていないんだけど、一言の台詞がいろんな意味に捉えられたり、いろんな言葉にかかってくる的な『ダブルミーニング』が凄く巧みに組み込まれていた印象があります。
シェークスピアとか野田秀樹とかがよくやるやつ。
いや、しゅこ先生、うまぁ。
縣千って少年漫画に出てくるよな
縣千って少年漫画に出てくるよな?
— 砂山🎩ヅカライフブログ (@sunayama373) March 1, 2023
青年になったクリスチャン7世、マジ少年漫画!
話し方やヘアスタイルの作り方からそう思うのかなぁ~
けどあがちん(縣千)を見るたびにそう感じているような気もするので、きっとあがちんは少年漫画に出ているのだと思う!(出てない)
『黒子のバスケ』の火神大我はあがちんやと思う!(読んでる漫画に影響されすぎ)
少年漫画系ジェンヌは「J」と相性いいような気がするんですよね。
まゆぽん(輝月ゆうま)(朝美絢と同期)も砂山的には少年漫画系ジェンヌなんですが、相性良かったもんな~
少年時代のクリスチャン7世はめちゃくちゃ可愛らしかった!
しゅこ先生がプログラムにも同じようなこと書いていたけど、あがちんって大胆さの中に繊細さを感じられるパフォーマーだなって思うんすよね。
少年漫画感あるって、多分大胆さの部分だと思うんだけど、芝居は繊細に作り上げるイメージあります。
むしろ繊細さがあるからこそクリスチャン7世を当てて本が書けたんだろうなとか思ってしまいます。
「J」がストルーエンセにハマっているのと同様、あがちんもクリスチャン7世にハマってるんだなぁ。
ちょっと傾いたままフリーズするあがちんの後ろ姿に涙が止まらなかった。
何者かになりたい
「何者かに~」って、ここ数年めっちゃ聞くなぁ、と観劇しながら思っていました。
砂山が若いときは「目標がない若者~」なんて言われてたんだけど、最近は「何者かになりたい」と思って生きている人が増えている印象もあります。
特にSNSやWEBの発展が、何者でもない一般人が急に有名人になったり、一昔前なら誰にも知られることなく活動を終えていたアーティストの知名度が一気に上がったりするようなこともあり、誰もが「何者かになれるかもしれない」って思えるようになった。
けどさ、やっぱり棚ぼたで「何者」かになれる人ってあんまりいなくて、ストルーエンセ先生もめちゃんこ勉強して医者になって、啓蒙思想やら政治やら改革やらを勉強しまくったんよな。
そして王宮に近づけるチャンスを活かしまくり「何者」かへ成って行った。
ストルーエンセは「何者にもなれなかった」と言って死んでいくけど、その過程を共に生きたクリスチャン7世やカロリーネ、ブランドたちにはきっとすごい影響を与えたんじゃないだろうか。
だからこそ、クリスチャン7世はストルーエンセの死後も彼を高く評価したんだと思う。
砂山は「結果じゃなくて過程が大事」って、あんまり思えない人間なんだけど(結果も過程も大事じゃ)、ストルーエンセが生きた過程は、周りの人にも、そして後の改革にもしっかり影響を残していたから、ストルーエンセ自身の人生は残念な結果になったけど、「何者」かには成れたように思います。
この時代にストルーエンセの物語はピッタリだったのかも。
のりちゃんの話
砂山が全力て応援しておりましたあられちゃん(愛海ひかる)の妹ちゃん・のりちゃん(紀城ゆりや)が出てまして、役もしっかりありまして、「メガネ」でわかりやすくて、「メガネ」いじりもあり、シンプルに嬉しかったです。
ショーでガンガン踊るのりちゃんからたまにあられちゃん感を感じることがあり(表情とか)、
なんか懐かしい…!
と感じておりました。
とはいえ、姉妹と言えど持ち味は全然違うし、のりちゃんにはのりちゃんの男役としての魅力がある…!
のりちゃんのまっすぐ伸びていく感じ、今後も見守りたい…!
おわりに
今回は雪組シアタードラマシティ公演『海辺のストルーエンセ』の感想をまとめました。
観劇しながら
「なんてスムーズな物語展開」
「キャラも座に合ってる」
「センスいいな木の美術」
「物語への没入感すげぇ」
と思ってたら、しゅこ先生、『冬霞の巴里』の先生やんか(忘れてんな)
どおりで!どおりでだよ!!!
ほんま、宝塚入ってくれてありがとう…!!!
今後の先生の作品も楽しみです。
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