皆さま、ご機嫌いかがですか?砂山(@sunayama373)です。
今回は星組シアタードラマシティ公演『婆娑羅の玄孫』を観劇しましたので、感想をまとめていきたいと思います。
後々インタビューや刊行物で真意が明らかになることもあるかもしれませんが、舞台を観ての率直な感想をまとめていきますので、いろいろご容赦くださいm(__)m
運良くe +の貸切公演に当選しました。日曜日だったのでダメ元で申し込んだけど、出すだけ出しといてよかったなぁ。
ちなみに入場は紙のチケットとe+のアプリを使った「スマチケ」を利用した方法が選べました。
私はスマチケを選択したのですが、便利な反面、手もとに半券が残らない寂しさがありますね…。
スマチケの使い方は、別の記事で紹介しようかなと思います。
一部ネタバレがありますのでご容赦ください。
初めて観た宝塚歌劇のトップスターが退団する
私にとって初めてのトップスターが轟悠さんなんです。
99年雪組の『再会』『ノバ・ボサ・ノバ』で宝塚歌劇初観劇をして、そのトップさんが専科異動をし、ずっと「轟悠」と言う存在は宝塚に存在し続けるもんだと思っていました。
なので、退団のニュースを見た時は全く現実感がなく…。
私の周りの友達はみんな「今回で初めて宝塚観た時のトップさんが辞めるのかぁ…」っていう体験をしているんだけど、ついに自分自身が体感する時が来たんだなと思うと、なんとも言えない気持ちになります。
けど、ドラマシティの静まり返った客席に着いて開演を待っている中で急激に
あ、轟悠を観るのは最後になるんだな
と実感して、まだ始まってないのに泣きそうになってました。
DC入りました。もう泣きそう。
— 砂山🎩ヅカライフブログ (@sunayama373) July 11, 2021
因みに轟さんが初舞台を踏んだ年に、私は生まれました。(聞いてない)
久しぶり?植田紳爾先生オリジナル作品
デイリー新聞の記事によると、轟さんは「退団するときは植田先生の作品で」と思っていらっしゃったそうですね。
宝塚の至宝・轟悠の最後の公演開幕「感傷に浸るより、下級生に伝えたい」
— ヅカと花 (@zuka_hana) July 9, 2021
(写真5枚)https://t.co/41PorvrAPh
『「婆娑羅の玄孫」…
轟は着流し姿も美しく、所作の一つひとつが一幅の画のように決まる。専科の汝鳥伶とのやり取りは、轟の宝塚での人生を重ね合わせるかのように、心に染み入る。』
久しぶりに植田先生の新作を観たような気がします。
カーテン前芝居が多くて「おお!植田芝居…!」と思いました。笑
あと「少しも早く」もあった。
「少しも早く」って言った瞬間、客席が「ハッ!」としたのを感じた笑
88歳で新作の芝居を書いて演出できるってすごいバイタリティだなと素直に思います。いくらかは助手の鈴木先生に任せている部分もあるかもしれないけど。
1幕と2幕で同じ作品なんだけど2本立てみたいな構成になっていて、今までもあったかもしれないけど、私はあまり見たことがないタイプの構成だったので驚きました。
轟悠への惜別
まず轟悠演じる「細石蔵之介」という名前がもはや轟悠そのもの。
さらに作品中蔵之介を慕う長屋の面々は「石さん」「石先生」と気軽に声をかけ、悩みを聞いてもらったり学問・剣術を学んだりしているというのが、もうそのままやんかと。
泣いてまうやんそんなん。
1幕は中国人姉弟のかたき討ちのお話が中心の勧善懲悪。
すみれ色の着流しがめちゃくちゃ美しく、笠をあげての登場はめちゃくちゃカッコいい。
剣の稽古に挫ける真々(稀惺かずと)に負けるんじゃないと励ます石さんはまさに轟悠そのもの。
稀惺かずとも注目度爆高105期生で、おそらくこれからいろんな壁に立ち向かっていくことになる存在。
全てがオーバーラップしていくんだよなぁ。
2幕では大立ち回りもあり、その時の着流しは緑。
あえての雪組カラーなんですか。なんですよね?そうと言ってくれ!!
そして石さんの旅立ち。
もうまんまですやんか。。。
泣くからやめておくんなはれ。。。
また、焼き芋屋のお鈴(音波みのり)がいい…!
1幕からずっと石さんと顔を合わせればポンポンポンポン丁丁発止な喧嘩を痛快に繰り広げ、笑わせてくれるしスピード感に乗ってお話を楽しめるんだけど、が故に、別れを察する時に漏らす
「石さんが好き」
がめちゃめちゃ映えるんですよね…!
かぁー!!!
めちゃかわいいやんお鈴…!
研17とは思えないくらいの初々しさ…。
それに応えられない石さんの苦悩の表情もめちゃめちゃかっこいい…!
「石さんが好き」はみんなの想いがこもっているんだろうなぁ。
台詞を言ってるお鈴だけでなく、舞台に出演している全員も、宝塚歌劇団の生徒も、植田先生も他の演出家も、スタッフさんや関係者の皆さんの想いが全部詰まっている「石さんが好き」に聞こえたよ…。
石さんが最後に爺である小久保彦左(汝鳥伶)にだけ不安を打ち明けるんだけど、それも轟悠&汝鳥伶の絆の深さを感じさせるようだった…。
涙腺が馬鹿になりました
象徴的男役の不在
婆娑羅2幕頭の山神様を見て、90周年の時初めて春日野八千代さんを生の舞台でみて「ほあああああああああ…!」ってなったのを思い出した。
— 砂山🎩ヅカライフブログ (@sunayama373) July 11, 2021
春日野八千代から轟悠に受け継がれつつあった「宝塚の象徴的男役像」がいなくなる。
これがこれからの宝塚にどんな変化をもたらしていくのか気になります。
今は全然想像はできないけど、これまでも幾度となく男役の表現方法が変わっていくタイミングがあり、娘役も変化し、制作される作品もどんどん変わってきて、それでも古くから受け継がれてきた伝統はしっかり守りながら宝塚は進化してきたんですよね。
これからはまた新しい進化のフェーズ…!
きっと時代に合わせて宝塚は進化していくだろうし、これからも素晴らしい舞台を生み続けてくれると思います。そんな中で「男役の伝統」はどのように継承されていくのか、私も生きてる限り見守りたいなと思いました。
おわりに
今回は星組シアタードラマシティ公演『婆娑羅の玄孫』の感想をまとめました。
観劇前にたまたま母と電話していて
「お母さんと一緒に初めて宝塚観たときのトップスターが退団するねん。その公演を今から観に行く」
と伝えたら
「あんた、あの時のトップスター覚えてんのかぇ?」
と言われました(笑)
お母さんはすっかり忘れていたけど、中3のあの時「あんた、宝塚観に行くかぇ?」と言ってくれなかったら私は轟悠を知らなかったと思うし、今回の公演も観ていなかったと思うんですよね。
母、ありがとう。
初めて観たトップスターの退団公演をしっかり観ることができてうれしかったぁ…!
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