皆さま、ご機嫌いかがですか?砂山(@sunayama373)です。
コロナによる公演中止期間を経て、砂山の宝塚大劇場復帰公演となった月組公演。
今回はミュージカル『ピガール狂騒曲』の感想をまとめていきたいと思います!
[chat face=”sunayama01.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]結論から言うと、非常に楽しめました!!![/chat]
『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』の感想はこちら↓
ピガール狂騒曲を原作と照らし合わせてみる
『ピガール狂騒曲』はシェークスピアのコメディ『十二夜』を原作に、舞台は20世紀パリのピガール広場で起こるドタバタ人間模様を描いた作品。
[chat face=”sunayama09.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]『十二夜』めっちゃ好きなんですよ。[/chat]
かつてバウホールで上演された『十二夜』(大和悠河主演)がめちゃくちゃ好きで、ビデオを見まくり、高校の演劇部でも上演するほど好きな作品。
他の劇団でも『十二夜』を上演すると聞けば観に行く事があるくらい好きなお話です。
今回の『ピガール狂騒曲』では舞台を20世紀のパリに置き換えているということで、観劇前から原作の登場人物がどんな風に置き換えてキャスティングされるのか気になっていました…!
こういう原作アリの置き換え作品って、原作の登場人物に相当する登場人物でキャスティングされることが多いと思うのですが、今回はちょっと面白い置き換えだなと感じました。
と言うのも、いろんな役が混ざりあってる人がいると感じた点です。
まずトップスター・トップ娘役・2番手のキャスティングはバッチリ原作に当てはまるなとわかりました。
- 珠城りょう…ジャック/ヴィクトール⇒ヴァイオラ(シザーリオ)/セバスチャン
- 美園さくら…カブリエル⇒オリヴィア
- 月城かなと…シャルル⇒オーシーノ
- 鳳月杏…ウィリー⇒サー・トービー
これは分かり易かったのですが、
ロートレック(千波華蘭)にはアントニオやフェステ的な役回りを感じたり、ボリス(風間柚乃)にはサー・アンドリュー的な役かと思ったらマルヴォーリオ的な側面もあったりと、いろんな役がいろんな人の人間性に混在しているので面白い。
それが各キャラクターにマッチして作り上げられていて、コメディ要素としてしっかり活用する巧みさがあるなと思いました。
『ピガール狂騒曲』感想!
[chat face=”sunayama09.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]正直、初めて「原田先生ナイス」と思いました。[/chat]
これまで何作か原田作品を見てきましたが、私にはあまり響かないものばかりで、観劇したのに感想を記事にしていない作品も実はいくつもあります^^;
[chat face=”sunayama10.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]すごくネガティブな記事になりそうだったから書かなかったんですよ[/chat]
で、そんな先入観と言うか、イメージ良くない演出家の作品を観劇するときって、もう「その前提」で見たりするから、結果満足できなかったりするじゃないですか。
今回は、それを全く感じなかったんですよね。
原田先生の作品を普通に楽しめてる自分に驚きました←
上記に書いたように、原作の登場人物の設定を巧みに活用しつつ個性的なキャラクターに仕立て直した部分は素晴らしかったし、
シャルルが抱くジャックへの気持ちを完全に恋愛感情にしなかったことに対してめちゃくちゃ好感度が上がりました。
[chat face=”sunayama09.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]宝塚のファンって、男役同士がひっつくの好きじゃないですか(笑)[/chat]
だから演出側も意図的に男役×男役な人間関係を描いたりしがちですよね。
で、今回の『十二夜』なんて、カッコウの題材なわけですよ。
原作でもオーシーノはシザーリオ(ヴァイオラ)のこと、男だけど好きかも…ってなりますからね。
しかし今作ではそうはしなかった。
ジャックがこの人間関係の中にいる役割や、ジャックから影響を受けて変わっていくシャルルの心情に沿ったラストになっていました。
それによって未来を想像できる余地も生まれたし、すごくいい関係性で幕が下りたなって思ったんですよ。
[chat face=”sunayama06.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]多分シャルルとジャックが結ばれて終わってたらブチキレてたと思う(笑)[/chat]
[chat face=”sunayama02.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]「グスティー!」はいつまでも許せへんけどな…![/chat]
珠城りょうの女役は新鮮すぎた…!
今回たまちゃん(珠城りょう)は双子の兄妹を二役で演じるってことで、女役も期待していましたが、期待どおりでした…!
不自然に声高くしてる感じがないし、無意味に「女性」をアピールしない自然体の女性だった。
[chat face=”sunayama09.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]がたいの逞しいたまちゃんが小さくなってれいこちゃんに抱きしめられるの、かわいい。[/chat]
人妻の美園さくらが好きすぎる
『赤と黒』を見た時、
人妻を演じるさくさくめっちゃイイ!
と叫んだんですが、今回も人妻さくさくで至福でした。
[chat face=”sunayama04.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]おれの好きな美園さくらやー![/chat]
しかし、ジャックに恋心が芽生えてからは人妻感が薄くなってきてしまうのはちょっと残念でした(誰も悪くない)
参考記事:宝塚月組「赤と黒」の感想(ネタバレあり)@名古屋御園座
月城かなとのさりげないコメディセンスが光る
れいこちゃん(月城かなと)の「受け」でコメディセンスを発揮させるの、めっちゃ面白かったですね。自発的に面白いことを言うというよりは、状況とか投げられたセリフに対してのリアクションや間が面白いというやつ。
これは「自分が面白いと思ったら負け」みたいなところがあって、毎日変わる舞台の温度とか相手のセリフの調子に合わせて微調整しながら一定のクオリティの「面白味」を作っていかないといけないから、難しいことろではあるけど、めちゃくちゃ面白かった。素晴らしい。
鳳月杏の巧みなコメディセンス
れいこちゃんとは逆に「発する」コメディが巧みだったのがちなつさん(鳳月杏)。
どの状況でどんな風にセリフを回せば面白くなるかが的確でめちゃくちゃ面白かったですね…!
フィリップ(夢奈瑠音)・ボリス(風間柚乃)との掛け合いも絶妙。
ボリスは変装するなどマルヴォーリオ的な役割があるんだけど、それが面白おかしく見えるのもウィリーとの前段階があるからで、それってウィリーがサー・トービーの役割を担っているからで、つまり何が言いたいかって言うと、十二夜面白いねってこと!
感染対策にプレスコ
今回は感染対策に一部プレスコを使用しているとの事でしたが、私が気が付いたのはたまちゃんのセリフだけでした。
十二夜は双子が同時に出てきて喋るタイミングがあるので、1人2役に限界があるんですよね。
そうなると役者の身体は影武者を使って声を当てるってのが正攻法だと思うんですが、今回は感染対策も相まってちょうどよかったのかなと思いました。
[chat face=”sunayama08.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]しかし、あのヴィクトールの代役の子はプレッシャー半端なかっただろうなぁ。。。[/chat]
誰なんだろう。。。
ちょっと残念だったところ。
ちょっと残念だなって思ったところは、面白いところを見逃しがちな場面づくりになっているところ。
[chat face=”sunayama10.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]特に、劇中劇でガブリエルがジャックにキスする(しようとする?)ところは完全に見逃しました。[/chat]
いや、あれは見逃してしまうわ。。。友人も見逃したと言ってた。。。
だってね、物語の主要人物が全員舞台上に集結してる上に、ボリスは女装して無理やり踊らされてちょっと面白おかしくしてるし、ヴィクトールはたまちゃん本人になってるし、他にも目が移る要素がいっぱいあるわけですよ。
せめてキスする瞬間は真ん中の二人にフォーカスする仕掛けが欲しいところでした…!
ピガール狂騒曲は新人公演がない…。
ピガール狂騒曲から正式に「当面の新人公演中止」が始まったんですね。。。
[chat face=”sunayama03.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]100期はラストの新人公演だったんじゃないかな。[/chat]
延期前に発表になっていた新人公演のメインキャストは
- ジャック/ヴィクトール 礼華 はる
- ガブリエル きよら 羽龍
- シャルル 風間 柚乃
礼華くんは初主演予定だったけど、あと一年あるからチャンスはあるよね。本舞台でも目立っていたし、コロナ終息後に期待…!
おだちん(風間柚乃)は今回がラストだったのかぁ。本公演では笑いを取りに行く役回りだったから、進行で「受け」のコメディも習得できればより幅が広がるチャンスだっただけに、やりたかっただろうなぁと思います。
とにかく早くコロナが落ち着いて新人公演も再開してくれることを願うばかり…!
フィナーレ
フィナーレはシャンソンの名曲で構成されたパリのレビューを彷彿とさせる王道の宝塚レビューと言う感じ。
ありちゃん(暁千星)の銀橋の歌素晴らしかった。ありちゃんってダンスダンス!ダンス推し!って感じがするけど、個人的には歌声も深みがあって好きです。
エトワールは白雪さち花姉さんでした!
初舞台ロケットはやっぱり感動する!
このコロナ禍で初舞台が延期にあった上、舞台上の人数制限から初舞台生ロケットどうなってしまうんだろうと心配してましたが、無事同期全員でロケット出来てよかったね…!
40人だからセーフ。(本舞台は50人制限のよう)
パレードの大階段での歌唱だけなしになったみたいだけど、全員で列になって銀橋わたってくれるのがあって感動しました。
そしてもう一つ。
百花沙理先生、初舞台ロケット初振付だよね…!?
[chat face=”sunayama01.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]おめでとうございます…!!![/chat]
いつもと違う感じがした黒燕尾
[chat face=”sunayama04.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]黒燕尾めちゃくちゃかっこよかった![/chat]
いつもと違う雰囲気の振り付けの中に、時折宝塚の黒燕尾の正統派な感じも出してくる感じ…!
「どなたが振り付けしてるんだろうー」と思ってパンフ見たら、羽山紀代美先生でした。
[chat face=”sunayama07.jpg” name=”砂山” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]ガチ正統派の先生やん![/chat]
羽山先生の振り付けは見た瞬間わかるようになったと思っていたのに、わからなかった…!
羽山先生も大御所のイメージがあるのにどんどん進化し続けているんだなと思い感服でございます。
おわりに
今回はミュージカル『ピガール狂騒曲』の感想をまとめました。
コロナでしばらく大劇場に行けてなかったですが、久しぶりの観劇はめちゃくちゃ楽しいものでした。
大劇場内も人の行き来がスムーズいく様にレイアウト変更されていたりして安心感ありました。
いたるところに設置されたいたアクリル板は、劇場の雰囲気を損なうことが無いようにしっかりデザインされたもので感動しました。やはりアノ空間は愛と夢に溢れている。
次に大劇場に行く頃には、すこしはコロナも落ち着いていることを願うばかりです。。。
コメント
コメント一覧 (4件)
砂山さん、おはようございます。
今年、月組御園座『赤と黒』の記事に関してコメントさせて頂きましたヅカファンです。
その節は、自分の質問に対して長文の非常に詳しいご回答を頂きまして、どうもありがとうございます。
今回は、この記事の『ピガール狂奏曲』に関して一点質問が有ります。
Q.記事の中の「ちょっと残念だったところ。」として「面白いところを見逃しがちな場面づくりになっているところ。」とお書きになられていますが、その様な場面は合計で幾つぐらい有るのでしょうか?自分が本公演を何回観るかの参考にしたいので、お忙しい中お手数ですが、もし、ご記憶に有りましたら、ご回答して頂けますでしょうか?よろしくお願い致します。
以上、よろしくお願い致します。
*一身上の都合によりメールアドレスは架空のものを記載しました。悪しからず了解して頂きたくお願い致します。
リコメントを頂けていませんが、どうやら敬遠されているみたいですので今後のコメントは自粛します。
ヅカファンさん、こんにちは!
敬遠してないですよ!回答を考えてるうちに返信するのを忘れてました^^;失礼しました!
>その様な場面は合計で幾つぐらい有るのでしょうか?
これに関しまして、そんなに数は多くないんですけど、1番みたいところは見逃しやすい作りになってるって感じですね
なので、私はもう一回観たいなと思いました^^
原田先生の策略なのかも知れませんが^^;
よければまた遊びに来てください^^
砂山さん、こんばんは。
お忙しそうな中、ご返信ありがとうございます。
この間の事情を了解しました。
自分は、砂山さんの記事を拝読した後に一回観ましたが、砂山さんからの情報が頭に入っていたにもかかわらず、例のキスシーンを見逃してしまいました。
宝塚ファンって自分が大好きな一人のタカラジェンヌさんだけを観ていれば幸せな方と、作品全体を観たい方とに二分出来るのではないか、と考えますが、作品全体を観たい方にとりましては、このシーンの演出は不親切ではないでしょうか?
予算・時間等の関係で一回しか観られない方もいるでしょうし…
自分は、ピガールの方は非常に気に入りましたので、東京で良席が確保出来る場合はあと数回は観たいなぁと終演直後に思いました。
では、また辛口も含んだ観劇記をお書きになることを期待しています。
今後もよろしくお願いします。