皆さま、ご機嫌いかがですか?砂山(@sunayama373)です。
今回は雪組宝塚バウホール公演『ほんものの魔法使』の感想をまとめいきたいと思います。
『リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド』に続いて木村信司先生の少し不思議な雰囲気のあるファンタジー。
その世界観の中でこそ際立つ人間のグロさやエグさに胸を刺される、そんな作品だと感じました。
ファンタジーであるからこそ、人間とは何かを考えさせられる
ほんものの魔法使いライブ配信見てます🥸
— 砂山🎩ヅカライフブログ (@sunayama373) May 30, 2021
設定は完全ファンタジーなのにそこにいる人々の感情や心の動きは私たちとさして変わらない作品を見ると「人間とは…」って考えてしまう😌
「ファンタジー」で語られることって大人になるほどに心に響くようになるよね。
『星の王子様』なんかが良い例だと思うけど。子供の頃に「なんとなくかわいいから好き」くらいの気持ちで見ていた物語が、大人になると心に響くようになってくる。
『ほんものの魔法使』の中にもそんなシーンが多かったなぁ。
例えば、人間にはアタリの人間とハズレの人間がいて、自分はハズレだというジェイン(野々花ひまり)にアダム(朝美絢)は「アタリハズレなんてない。あるとしたらみんなアタリだ」と言ってくれる。
ちょっと泣いたもんね。
自分もどこかで自分のことを「ハズレ」だと思っていて、アダムのように全肯定してくれる人がいたらすごく心が救われるんだろうなと、刺さってきましたね。
「知らないから怖い」もそうよね。
大人になったらそれなりにいろんな経験をしてきて、だんだんチャレンジすることも減ってきて、新しいことを始めることとかに恐怖を覚えたりする。
現状維持バイアスってやつ
それって自分に対してだけじゃなくて、人に対しても働いたりする。
挑戦しようとしている人のこと、ホントはうらやましいと思っているのに、小馬鹿にしてみたり。
「自分の知らない世界」のことを知らないから怖いんだなって、怖いから怖がっていることを隠そうとする人間の性なんかなと思いました。
魔法使だって怖い。あり得ない存在だから。マジシャンにとっては仕事を奪われる存在でもある。
自分のことを知ってもらえず存在を全否定されたアダムは傷ついたろうな。
それでも自分を傷つけたマジシャンたちに復讐するのではなく、一番欲しいものを与える。
GIVE精神半端ない。神なのか。だから魔法使えるのか。
けどそうやって人に心を配り、丁寧に人と接するアダムだから、街から去った後もニニアンは峠を越えて会いに来ただろうし、ジェインとも再会しただろうなと思う。
はっきりとは描かれていないけど、そう考えると最終的に心が穏やかになっていきました。
楽しい演出
小難しく考えてしまったけど、全体的にはとっても楽しい演出もふんだんにありましたね^^
なんか悪そうな魔術師たちもコミカルで楽しかったし(後半怖くなったけど)、ロボットちゃんたちも超かわいかった!
ピクニックのバスケットからごちそうが出てくる仕掛けも楽しかった!あの小さいバスケットからどんだけ出てくんねん…!魔法か!!
物語の本質的なテーマは現代人にも刺さる様に作っているけど、感覚的には外国のファンタジーの世界を視覚的に楽しめるように作られている感じ。
最近木村先生こういう作品作りにハマっているのかな?
このタイミングでこの役が見られるのいいね!朝美絢
いよいよ雪組新体制で『シティーハンター』のポスターから2番手ポジなのが見えてきたあーさ(朝美絢)。
2番手ともなるとだんだん付く役も主人公のライバル・敵役だったり親友だったり定番化してくることも多いので、このタイミングでちょっと不思議な雰囲気のアダムの役が見られるってとても貴重だったんじゃないかなと思います。
オラオラ系もできるけど不思議系でも真ん中張れるあーさすごい…。
そしてビジュアルはいつ見ても完璧…。
縣千の犬完璧すぎへん?
あがちん(縣千)が演じたモプシーの「ワン!」がまじで犬。うますぎる。
他にも牛とかハチとか蝶とか、いろんな生き物が出てくるけど、モプシーはその中でもデフォルメ要素は少なく、衣装がもふもふだったことくらい。だけど垂れ耳の大型犬ってことがわかる役作りだった。
1.5kgのドッグフード食べきるってすごい大型犬よね。
ラブラドールかと思ったけど、ラブの毛はそんなにもふもふしてないからなぁ…。
ゴールデン程おっとりしているようにも見えなかったし…。
スタンダードプードルか。
『シティーハンター』の海坊主も楽しみですね。
ニニアン研2!??!!??華世京
めちゃくちゃ芝居ができる、けど雪組で全然見たことない子がすごい良い役をやっていた。
ニニアンは物語を通してアダムと関わり、魔術師らとも関わるかなり場面の多い役。
だれ…?華世京…?
106期…!!!????
衝撃でした。
106期って、Welcome to TAKARAZUKA初舞台でしょ?
組配属になってからもコロナでA・Bに振り分けられて出演日程限られてた子たちじゃん。
正直従来の研1~2よりも圧倒的に場数が少なかった106期。
さらに下級生のタカラジェンヌは歌とかダンスとかは小さいころからやってるアドバンテージを持っている子は多いけど、お芝居の経験が少なくセリフを言うのもやっとな状態の子がほとんど。
が、華世京演じるニニアンはセリフ回しや活舌が素晴らしいだけでなく、舞台上での存在の仕方・セリフの受け方・場づくり、どれをとっても若手の域を超えてる…!!!
歌もめちゃんこ上手だね!!!まいったね!!!
いやー。すごい。すごいしか出でこん。
最後に眼鏡もカツラもなくなって出てきたときは、お化粧に少し下級生感があってなぜかホッとした。
いや~衝撃でした。(2回目)
おわりに
今回は雪組宝塚バウホール公演『ほんものの魔法使』の感想をまとめてみました。
Blu-rayの販売も決定したとカーテンコールでお知らせがあり、雪組もいよいよ新体制に向けて動き出した感がありますね。
KAAT公演も無事に千秋楽まで終えられますように。
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