観劇記・感想・作品考察

『エルハポン -イスパニアのサムライ-』の感想!@宙組宝塚大劇場

皆さま、ご機嫌いかがですか?砂山(@sunayama373)です。

今回は2019年11月15日に初日を迎えた宙組大劇場公演『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』を観劇した感想を書いていきたいと思います。

前回公演『オーシャンズ11』で宙組の戦力メンバーが結構辞めた後初の大劇場公演ということで、番手や配置はどんな感じになっているのか、大野先生の日本物が好きな私としてはスペインで生きる日本人の話はどんな感じに作られているのか、いろんな意味で気になる公演でした。

終演後の熱気あふれる私の感想をお伝えしますね。

エル ハポン -イスパニアのサムライ-演出に関する感想

大野先生の作品といえば、最近の物は映像演出をふんだんに使ってオープニングを盛り上げるイメージがありますが、今回はおしゃれな地球儀で日本とスペインの説明に止まりました。

プロジェクションマッピング的なものを期待しましたが、シンプルな説明でわかりやすかったです。

その後に出てくる、扇を持って踊る娘役さんたちの舞が綺麗で素晴らしかった。衣装はさほど派手ではなかったけど、隊列と扇さばきの美しさで見せる群舞はさすが宙娘!

スペインに向けて出航する時も荒波映像が正面と両サイドに映し出されて、奥行きを感じて臨場感のあるダンスシーンでした。

テンション爆あがりのプロローグというわけではなく、シンプルだけど物語の世界観をしっかりと構築していく感じのプロローグで、入り込みやすく作られていました。

登場人物が多い!

作品における登場人物が多くて、役がついている人が多かったですね。

役名まで語られなくてもしっかりストーリーに関わるようなセリフがあったり、下級生もセリフのある子が多くてよかったです。

しかし、逆に登場人物が多すぎて一人一人の物語が少し薄くなっているのが気になりました。

特に芹香斗亜・桜木みなと・和希そらなどの主要メンバーの役が結構超展開を起こしているように感じ、その辺はもう少し物語で見せて欲しかったなと思っちゃいましたね。

ほっこり笑える要素もあり堅苦しくない

コメディというほどコメディではないけど、ほっこり笑える要素が程よくあり、時代背景的に日本は戦国、スペインは貴族の時代という堅苦しい時代だけど、現代劇を見ているような感覚でフランクに観劇できる雰囲気が良かったです。

砂山
砂山
これならタカラヅカを初めて見る人にも受け入れられやすそう!

エルハポンのストーリーはどんなの?あらすじを紹介

ここでエルハポンのストーリーを公式より引用。

スペイン南部の町コリア・デル・リオに「サムライの末裔」を自認する「ハポン(日本)」姓の人々がいる。なぜ遠い異国の地に日本の侍の伝説が残ったのか……。慶長遣欧使節団として派遣された仙台藩士を主人公に、その侍らしい心情や異文化との出会いを色濃く描きあげる、ヒロイックで快活な娯楽作品。
慶長18年、仙台藩が派遣した慶長遣欧使節団の中に、夢想願流剣術の名手・蒲田治道の姿があった。約一年の航海を経て使節団は目的地のスペイン(イスパニア)に到着するが、国王フェリペ3世との交渉が膠着し、港町セビリアの郊外にあるコリア・デル・リオで無為な日々を過ごすこととなる。ある時、奴隷として農場に売られ脱走した日本人少女を助け出した治道は、匿う場所を探して宿屋を営む女性カタリナと知り合う。近隣の大農場主から邪な欲望を抱かれながら、どんな脅しにも屈しないカタリナの凜とした姿に、治道はかつて心惹かれた女性の面影を見出していく。やがて任務を果たした使節団は帰国することとなるが、出航の迫る中、治道のもとにカタリナが攫われたとの報せが入り……。

引用:宝塚歌劇団公式HP

本筋の話は↑なんだけど、この話の中に、芹香斗亜演じるアレハンドロが宿屋に居座る理由があったり、桜木みなと演じる大地主ドン・フェルディナンドの息子エリアスが蒲田治道を目の敵にしたり、和希そら演じる藤九郎のエピソードだったり、細かいストーリーが張り巡らされてるんですよね。

その辺りの登場人物ごとの細かいストーリーは公演プログラムを読めば結構補完されるんだけど、そこは舞台を観てわかりたいよねって思っちゃったよね。

真風涼帆がびっくりするほどかっこいい件

『白鷺の城』の時も思ったけど、袴の衣装がめちゃくちゃ似合う。ブーツイン最高かよ。

スペインに行ってから髪の毛はずっと下ろした状態で、普通に髪の毛長い人だったけど、男らしさを損なうことなくめちゃくちゃかっこいいのすごいな。

これ男の俳優さんだったらここまでかっこよくならないんじゃないかなって思うくらい男らしい風貌でした。

あと、見捨ててしまった恋人のことを思い苦悩するのもめっちゃ似合う。苦悩系ジェンヌ。

あと、トップスターなのに「殿!」って言うのがめっちゃ似合う。家臣系ジェンヌ。

演出家が同じせいか、やっぱり『白鷺の城』とリンクしてしまい、最終的には「白鷺のスピンオフ作品」というところに落ち着きました。

安定の星風まどか

まどかちゃんは本当に安心して観られるトップ娘役だと思う。

顔は幼いけど、人妻でも全然違和感なく受け入れられるのはその表現力あってのものなんだろう。

今回は役柄が落ち着いているからか、興奮すると台詞が走っちゃう癖も見られず、とても見やすい星風まどかだった。

砂山
砂山
治道に心を開くときはもうちょっとドラマチックに観たかったなと思ってしまうところはありますねぇ〜

芹香斗亜のコメディセンスがエッセンスに

今回の作品はがっつりコメディということはないんだけど、キキちゃん演じるアレハンドロのフランクな(チャラい)感じが笑いを誘ったりしていて、ほっこりした。

アレハンドロの飄々とした感じに真風治道のツッコミも絶妙の間で入ると、笑いは起こらざるを得ないですよ。

真風氏も間の取り方うまいもんなぁ。

アレハンドロの自由人な雰囲気と、キキちゃんが本来持ち合わせているチャラさがちょうどいい具合にマッチしている、ぴったりな役でした。

桜木みなとがまたこじらせてる

前回公演から男を上げたずんちゃん。今回もプロローグで出てきた姿はめちゃくちゃカッコいい剣士でしたよ!

しかし中身はなかなかのこじらせ男子。

いや、かっこいいんですよ、かっこいいんですけどね。そろそろ優しさの塊みたいなずんちゃんください。

エリアスという役自体もなかなか描き切れていない感じのある役で、初っ端はめちゃくちゃ悪い奴・やな奴な感じで登場したけど、最終的な落としどころにちょっと違和感はありました。

いや、嫌な感じはないんだけど、急に素直になったなって(笑)

砂山
砂山
『黒い瞳』に引き続きまた真風氏に砂かけるずんちゃん!卑怯でござる。

和希そらもぷりぷりしてる

和希そらが演じる藤九郎も、もっとストーリーが欲しかった。

特に、治道が和賀家に仕えている時のエピソードの描写がもっと欲しかったなぁ。

藤九郎にとって治道が剣の師匠で、姉の恋人であることも認めていて、とても慕っていたということは言葉での説明はあるけど、その描写があればさらに藤九郎の絶望が見えるし、そこからさらに最後に治道とスペインに残る決意が浮き彫りになるのになぁと。

藤乃とのエピソードが割とコロス的に抽象的に表現されたから、藤九郎のエピソードまで盛り込むのは難しいかもしれないけど。

砂山
砂山
登場シーンは目しか見えない状態のお衣装だったから、和希かどうか分からなかったよ…

遥羽ららに名前を呼ばれたい!

藤乃を演じてたららちゃん。

ららちゃんはなんで人の名前呼ぶだけなのにあんなに色っぽくなるんだろう…!

類まれな才能だと思う。

名前連呼するだけでエロい。

砂山
砂山
ロドリーゴ(バレンシアの熱い花)を彷彿とさせました。。。

瑠風輝はバウを経てレベルアップしてる!

今回1番目を引いたのはもえこ!

ビジュアルもめちゃくちゃかっこよくなってる!

トップさんよりも立場が上の役どころだけど対治道でも、対藤九郎でも、存在感強く説得力のある使節団幹部の西さんを作り上げていました。

もえこは『リッツホテルより大きなダイヤモンド』の経験から、脚本に書き切られていない部分を補完するのが上手くなったのかもしれないなと思うくらい、他の役者に見られない説得力を感じたな。

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配役は適材適所!

そのほかにも、寿つかさの使節団長、星吹彩翔の国王、美月悠の伊達政宗や、星月梨旺の料理人の親父、下級生は真名瀬みらの何かチャラい貴族など、いろんな人にいろんな役が付いていて、絶妙に適材適所だった。

砂山
砂山
あと、上級生の男役・娘役どちらも思わぬところでバイトしているから面白い(笑)

大人数で見せたい場面が多いから、みんな結構駆り出されているので、モブたちをじっくり見てみるのも結構面白いかも。

まとめ

全体的に観やすいお芝居でした。

超展開を笑いに転換してるので、不快感もそんなにない(笑)

普段宝塚とか観ない層や初めて見る方にとっても受け入れられやすいのかなと思います。

宙組も、抜けたメンバーの喪失感もそこまで感じることなく、それぞれの配役がピッタリでよかったなと思います。

私が観劇したのは初日明けてすぐだから、これから千秋楽に向けて、更に東京公演ではもっとお芝居が深まって面白くなっていくんだろうなと感じました!

 

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