皆さま、ご機嫌いかがですか?砂山(@sunayama373)です。
今回は星組御園座公演『王家に捧ぐ歌』をライブ配信で鑑賞しましたので、感想をまとめていきたいと思います。
王家~は、私にとって宝塚歌劇作品の中でも最も好きな作品の一つです…!
星組初演の大劇場公演では、初めて観劇中に嗚咽を漏らしながら泣くという体験をしました…!
あの時周りに座っていた方、失礼しましたm(__)m
そして再演宙組公演では人生で初めてSS席に座るという体験をしました。
もちろん号泣でした(嗚咽は我慢した)
そして今回の礼真琴率いる星組バージョンも実際に御園座で観劇する気満々マンでしたが、チケットが取れず、さらに公演中止もありで叶わず…。
配信は絶対見たいと思っていたので、スケジュールが合って本当に良かった…!
白い!シン・王家に捧ぐ歌
まずは上演前の先行画像やポスターから話題になっていたビジュアルの刷新。
これはマジで度肝を抜かれました…!
王家と言えば観客すらも
「光ってやがる!輝いてやがる!!」とつい言ってしまうほどの金ピカのお衣装のイメージ!
あの金ピカがエジプトの繁栄と権力を象徴しているようなイメージでしたが、我々の目に飛び込んできたのは真っ白なラダメス(礼真琴)…!!!!
?????不滅の棘やっけ?????
まぁこうなりました…!
正直
王家に捧ぐ歌…一体どうなっちゃうのぉ~!!???
状態でした。
でも実際映像越しだけど、作品を見てみて
『王家に捧ぐ歌』の抽象度がめっちゃ上がった…!
という結論に至りました。
エジプト:エチオピア=金ピカ:地味服(←いい表現が見つからない><)
から
エジプト:エチオピア=白:黒
にすることで、このお話が「エジプトとエチオピアの歴史のお話」ではなくて、どんな時代のどの国にも当てはまる作品にリバイバルした感じを受けました。
もちろん、初演・再演でも「戦いは新たな戦いを生むだけ」という根底のテーマはあり、受け取る側は「そうだよな、戦争はよくないよ」とエジプト・エチオピアに限らず考えさせられる作品ではあったのだけど、
お衣装が刷新されたことで、よりメッセージが汎用化されて
- 国家/人種間の争い
はもちろん
- 職場の人間関係で起こる争い
- 親子喧嘩
の様な、私たちの日常にも起こる争いごとにも当てはまってくるような、そんな感じがしました。
タイミング的にロシアとウクライナのことを強く想ったりもしました
木村信司先生は単純に奇抜なことをやるっぽく見せて、実はいろんな思考が巡ってる感じがするんですよねぇ。
いや、知らんよ!今回の衣装の変更の真意は知らんけど…!
ちなみに木村先生エピソードで一番好きなのはおさあさお悩み相談室で「先生はどこからが洗顔でどこからが洗髪なんですか?」って聞くやつですw
礼真琴の演技力に心打たれた…!
まこっちゃん(礼真琴)は、歌もダンスもめちゃんこ上手い!!!!!!ってのは周知の事実だと思うんだけど、お芝居の印象って正直あんまりなかったんですよね
(まこっちゃんファンの皆様、気を悪くしたらゴメン!)
でも今回めっちゃ印象に残った芝居があって
- 私をみくびっているのか~から月の満ちる頃に入る身体の流れ
- アムネリスに「私にあなたを殺させないで」って言われたときの受け止め
この2つがマジで絶品だったなと思うのでちょっと語らせて。
私をみくびっているのか~から月の満ちる頃に入る身体の流れ
アイーダ(舞空瞳)に「ひと時の感情に流されて生き方を変えるべきじゃない」って言われてラダメス(礼真琴)が「ちょ、まてよ、みくびってんのか?」ってなる場面。(書き方が軽すぎる)
ラダメスはムカッとするんですよね、ここで。みくびってんのか!って。
で、「それだけの男を愛したのか、あなたは」って問う。(歌詞間違ってたらサーセン)
「戦いは新たな戦いを生むだけ」のメロディーなんよな、ここ。
だからムカッとはしてるんだけど、アイーダに寄り添った問いになる。
んで、アイーダが駆け寄ってきて首ふりふりして想いを伝えると
ラダメスの身体がふわっと解き放たれるんよね。
この気持ちからの身体の流れがすごくよく分かったんですよね…!
芝居って台詞回しとかテンポとか表情とかいろんな要素があるけど、体の状態ってのも、めっちゃ物語るんよね。
筋肉のこわばりや血液の流れまで身体の状態の表現に現れてくるって言われてるくらい。
役者はそこをコントロールできるようにするために稽古を繰り返したりしますよね。
特にこのシーンが複雑なのは、
怒ってる→問う→けど寄り添っている→想いが一つになる
の流れの中で、セリフと気持ちと身体の状態のタイミングが一見バラバラだからだと思うんですよ。
問う時の顔はまだちょっとキツイ表情(怒ってる)なんだけど、気持ちはアイーダに寄り添ってるから、身体の状態はアイーダが首を横に振ってくれると信じてるんよな。
からの、アイーダが駆け寄って首ふりふりだから、しっかり受け止めて「月の満ちる頃」にスムーズに入ることができる。
これミスると「怒ってたのに急にLOVEスイッチ入ったやん!」になるやつ。
すげえ繊細な芝居!!!!めっちゃ好き!!!
あ、あくまで個人的な見解ですからね。木村先生がどんな演出付けたか礼真琴さんがどんな役作りしたか知らない状態で勝手に語っているだけなので、悪しからず(‘ω’)
アムネリスに「私にあなたを殺させないで」って言われたときの受け止め
ラダメスは、アムネリス(有沙瞳)のこと全然嫌いじゃないもんな。
多分アイーダと出会う前からアムネリスの気持ちには気づいていただろうし、ラダメス自身も将軍に選ばれてアムネリスと結婚するのがベストだと思っていただろうし。
アイーダと出会ってしまってアムネリスの想いには答えられないけど、嫌いじゃないから傷付けたくなかったのに結果的に傷付けてしまったときの、優しい男の苦悩顔でした…。
この時、アムネリスに抱き着かれてから引き離すときの間と身体も完璧だった…。
いや、ちょっと語り過ぎな。
ファラオとアモナスロのイメージチェンジ
『王家に捧ぐ歌』と言えば初演・再演と共に箙かおるさん演じるファラオと一樹千尋さん演じるアモナスロのインパクトが凄いんだけど、今回はファラオをまりんさん(悠真倫)・アモナスロをレオさん(輝咲玲央)が演じられてました。
特にファラオは初演の時から宙づりブランコに乗って登場したり、メイクも「エジプトの神」に寄せた感じのイメージでしたが、今回のまりんさんファラオは宙づりもなく、メイクも「エジプトの神」感は少なく、どちらかというとちゃんと「人間」だなって感じでした。
ここでも抽象度を上げて、「エジプトの神」のお話ではなく現代の世界情勢や私たちの日常にも当てはまる様になっているんだなぁ。
今回も「愛している」のパワーが半端なかった
これ、王家見るたびに絶対感じること。だからいつも言っちゃう。
王家見て初めて「愛している」って素敵な言葉やなって思いました。
初演時、私は大学生だったのですが、大学生の時って言わないじゃないですか「愛している」って。
いや、今もそんな言わんけど。
なんか”恥ずかしい言葉”ってイメージあったんですよね。
でも「王家に捧ぐ歌」観たら、言いたくなっちゃうよね「愛している」って。
ホントに愛している人にはちゃんと伝えないといけない言葉だなと思いますね…。
おわりに
今回はライブ配信で鑑賞した星組御園座公演『王家に捧ぐ歌』の感想でした!
改めて好きになった!
コロナ時代や国際情勢も相まって、めっちゃタイムリーな作品になってしまいましたね。
でも、こっちゃんがカーテンコールで言っていたように「あの頃、世界は大変だったね」って数年後言えるようになっていることを祈りつつ、明日への希望を持って進んでいかなければですね…!
明日からも頑張ろう…!
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